こだわりのシルク

シルクの繭です。

シルクの原料は繭です。繭は蚕が桑の葉を食べて、約1ケ月掛けて作り上げます。ここで大切なのは、蚕の育った時期と蚕の餌となる桑の葉の成分です。蚕は基本的には一過性で年1回しか繭を作りません。特に、春繭は蚕の成長生理と桑の葉の栄養バランスがすこぶる良好です。

例えば、桑の葉は太陽の光を受けて、春先に温かくなると芽を出し、その後、温度が上昇するに従って成長します。また、カイコは春に積算温度に達すると種から孵化して殻を破って蟻蚕が出てきます。まさに、桑の葉の栄養バランスと蚕の成長生理がマッチングしております。幼児時期には幼児時期の桑の葉の栄養成分で成長します。カイコが大きくなって繭を作る時期には、たんぱく質の多い桑の葉を食べることができます。しかも、カイコの育つ最適温度は25度と言われております。春先はあまり寒くなったり、暑くなったりせずに、カイコの飼育適温が比較的保たれやすいです。

従って、春は良質の繭が収穫できます。特に、光沢があり、強度も強いので製品化した際にも丈夫です。また、糸質が安定しているために傷が少なく、織りムラ・編みムラ・染めムラ等についても最小限に抑えることが出来ます。

そのうえ、春繭は発色性にも優れておりますので、大変貴重で、国内では能装束や琴糸・枇杷糸・三味線糸に限定されて使用されていることが多いです。

この他、カイコの育った地域によっても大きく違ってきます。良いシルクを確保するためには、できるだけ同じ地域で、作られた繭を手にすることにあります。何故ならば、地域によって土壌の栄養成分が違います。そこで栽培された桑の葉の栄養素は当然のごとく違ってきます。この違った栄養素の桑の葉を食べて、カイコが作った繭の質は、当然のごとく違ってきます。

その繭を糸にして、織ったり、編み立てたりすると織りムラや染めムラが起きやすくなります。もっと分かりやすく説明すると、染まりやすい糸と、染まりにくい糸を一緒に織ったり、編んだりした場合は、染まりやすい糸の部分は濃く染まり、染まりにくい部分の糸は当然のごとく薄くなり、色ムラとなってしまいます。 これを出来るだけ少なくするために春繭限定で、しかも、同じ地域で採れた繭を使って製品化に努めております。全商品が上記の原料を使用している訳ではありませんが、デリケートな原料だけに、できるだけ条件を統一して、消費者に満足していただける製品づくりに心がけております。また、当社のシルク製品の特長は、カットソー・布帛共にウオッシャブルシルクを前面に押し出して、展開いたしております。一つには、地球環境問題と、家庭で手軽に洗えるシルクでないと、普及推進は難しいことです。そこで、設立当初から洗えるシルクを目指して、営業活動をしてまいりました。糸も、5A格(上級糸)のみを使用いたしております。なぜならば、手洗いの一番の問題は寸法変化率に有ります。生地を作る際に、糸を作って水洗いして、織って水洗い、染色して水洗いと何回も水洗いを繰り返しておりますので、粗悪な糸は、ダメージが強く、使用することはできません。この工程で、生地をある程度収縮させてしまいますと、製品にしても安定いたします。難しいのは、各工程で、ただ洗えばいいと言うものではなく、シルクの原料となる繭の収穫された場所・時期等を考慮して洗う時間や水の温度を調整いして製品化しております。

シルク製品のOEM生産やオリジナル生産は上海セリスにお任せください。