最近、昆虫食が注目を集めております。街中に自動販売機が置かれたり、昆虫食の通販がやたら目にすることが多くなって来ております。中でも、カイコの蛹は人気を博しております。そもそも、蚕の蛹はその昔から海のない長野県では魚に代わる貴重なタンパク質源として古くから親しまれてきました。蛹を甘辛味に味付けした佃煮は、最近では珍味としてご飯の友として、また、酒の肴として多くの人に食されております。
また、近年では昆虫食ブームに乗って、新しく「まるごとカイコ」や「あらびきカイコ」「焙煎した粉末カイコ」と言った商品名で、焼きそば専用ふりかけとして売り出されております。中身をよく混ぜ合わせて焼きそばにかけることによって、これまでにない新しい味を楽しむことがでるそうです。この他、蚕の蛹と豚肉に、濃厚なクリームや卵白を混ぜ合わせたシルクソーセージも商品化されて販売されております。
カイコの蛹を食べる習慣は日本だけでなく中国や韓国、タイでも食べられております。また、東南アジア地域だけでなく、アフリカでも蚕の蛹を食べる習慣があると言われております。多くの人々に食べられているカイコの蛹には、昆虫食の目的である「タンパク質確保」に最適な食材と言うことです。その証拠に、蚕の蛹3個で卵1個分の栄養があると言われております。そもそも、蚕は熟蚕となり、繭を作り、蛹となってふ化して蛾となって卵を産んで一生を終えていきます。卵を産んで一生を終えるまでのエネルギーと栄養素を蛹の段階まで蓄えているのです。栄養の欠乏が最大の問題でありました古代の時代、カイコの蛹は大きな役割を果たしておりました。
今では漢方薬としても効能を発揮しております。ふ化しないで一生を終えた蚕の蛹は「白きょう蚕(ハッキョウサン)と言う漢方薬として使用され、さまざまな処方に用いられております。また、カイコの蛹を乾燥させて粉末状にしたものは喘息の治療薬としても使用されており、これからもカイコは人々の健康維持に多大な貢献を果たして行くことでしょう。